量子技術

量子コンピューティング

量子ネットワークの必要性

あらゆるモノをインターネットで接続するIoT(Internet of Things)が普及していますが、サイバーセキュリティの脅威は深刻化しています。そこで量子技術を活用することで、安全性が担保された情報通信が可能になり、さらに未来では、量子コンピュータや量子センサの情報を相互に通信できる量子ネットワーク基盤を構築することで、量子版IoTが人々の便利な生活や高度な社会経済活動を実現することが期待されます。

量子コンピュータが実現されると、従来の通信で使用されている暗号化データが解読されてしまう恐れがあります。そのため、機密情報を通信する場合には、絶対に盗聴/解読されない通信技術が必要になります。また、大規模量子コンピュータを実現するには、小規模量子コンピュータを並列に接続して計算を行う必要があると考えられています。そのためには、量子ビットの情報を量子重ね合わせ状態を維持したままコンピュータ間で通信を行う技術が必要になります。

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中性原子を捕獲する光トラッピングで計算精度の高い量子コンピュータを実現

中性原子やイオンは、ひとつでも複数の性質を併せ持つ「重ね合わせ状態」を取ることができ、いわゆる量子ビットとして見なすことができます。その性質を利用して、量子コンピューティングや量子シミュレーションを実現する試みが積極的に行われています。このような応用では、光ピンセット技術や電磁場を利用して原子やイオンをトラップ(捕獲)する手法が一般的に用いられますが、トラップされた中性原子やイオンの位置を観測するために、高感度カメラが用いられます。さらに、空間光位相変調器(LCOS-SLM)を用いてホログラム技法を応用すれば、さまざまな配列のマイクロトラップアレーを生成することができるため、中性原子やイオンを所望の形に並べることも可能です。

LCOS-SLMを使用して光トラップ点数の向上へ

光の位相を自由に制御できるLCOS-SLMは複数の波長で高精度に光の集光状態を制御できるため、中性原子型の量子コンピュータの原子トラップ技術に応用できます。光を用いて中性原子やイオンなどを制御するには、できる限り位相ノイズを小さくする必要があります。当社のLCOS-SLMは低位相揺らぎモードを搭載し、量子研究にも適しています。

量子コンピューティング2

今後の展望

量子コンピュータにおいて、演算速度を向上させるためには量子ビットに関わる光トラップ点数を向上させることが重要です。

使用するレーザが高出力であるほど、多くの分子を長時間トラップすることが可能になるため、量子コンピューティングの分野でも光の位相を制御するLCOS-SLMには耐光性が求められます。

浜松ホトニクスは高耐光性のLCOS-SLMの開発によって量子コンピューティングの分野の進歩に貢献してまいります。

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